Ruby on Rails の行く末を、はてなの住人はどう思っているか


Ruby on Rails をタイトルに謳っている本ブログでは、この話をしないわけにはいかない。


今日の注目の人力検索第一位の質問。
Ruby on Railsは業界の主流になるのでしょうか?(今はPHPがかなりハバをきかせていますが、そのくらいのポジションになるのでしょうか?)なるとしたらいつごろでしょうか?」
http://q.hatena.ne.jp/1158894744
というまことに単刀直入な質問である。そのぶっちゃけぶりに比例するように、多くの回答が集まった。しかし、質問者自身が総括しているように、その回答には一定のベクトルが見られた。


それは「Ruby on Rails が近い将来、現在の PHP の地位を奪って Web 開発の主流に躍り出ることはないのではないか」ということだ。もし主流になるとしたら「大きな案件の積み重ねが必要だ」とか「gems が PerlCPAN のようになる必要がある」とか。驚くほど回答は類似している。この中には、結構 Ruby 好きの人も含まれているが、みんな冷静に見てるなーという印象。確かに常識的に言えば、そのとおりだと思う。


私は、90年代後半にプログラマとして脂の乗った時期を過ごしたので、当時の Visual Basic の盛況ぶりをよく覚えている。そこに Java が現れたが、大方の見方は「Visual Basic のようなお手軽な言語を Java のような綺麗だが敷居の高い言語を駆逐できるはずがない」とのことだったが、現実に起こったことは、デスクトップアプリケーションからウェブアプリケーションの移行に伴って、Java が一気に大衆化して、VB が廃れてしまった。だから、大きな言語のシェアの変動というのはいつでも起こりうるとは言える。


時代は変わり、現在は PHP がかつての VB の地位を占めているのは疑いがない。あのお手軽さは、まさ VB チックである。それに対して複雑化・肥大化した Java のライブラリはかつての MFC (Microsoft Visual C++ のライブラリ)や STL の小難しさを連想させる。やっぱり、Java は本当に必要な分野を除いて、だんだん使われなくなっていくんじゃないかな。(本当に必要な分野とはなんだかよくわからないけど)


回答者の一人は「PHPを引き合いに出されていますが、むしろJavaとか.netと競合するのではないかと思います。いわゆるOOPを使ったいわゆるMVCフレームワークですから」と延べている。私も同じようなことを考えていた。PHP は触ればすぐわかるが、徹底した実用主義(動けばいいじゃん)の言語である。もともと美しいオブジェクト指向言語を目指した Ruby とは設計思想もカバーする領域も違う。だから、PHPRuby は共存し、むしろ JavaRuby と競合関係に入るのではないか、というのが私の予想だ。


ま、私は Ruby が大好きだから、Ruby でおカネが稼げる世の中が来たら素敵だと思うけどね。