グーグル Google - 既存のビジネスを破壊する


グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)
佐々木俊尚著「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)」を読んだ。404 Blog Not Found で「梅田さんの『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』を読んだのなら、この本も絶対に読め」と煽られたからだ。


なかなか面白い本ではあった。しかし、やっぱり私としては「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」の方がポジティブな感じがして好きだったな。


404 Blog Not Found のいうとおり、「こちら側」(従来の産業)におけるレポートが詳細で説得力があった。倒産寸前の民間駐車場業者が、AdWords 広告によって見事に蘇ったという話は、確かに "Project X" ぽくて感動的だった。


この本の真骨頂はやはり第6章「ネット社会に出現した『巨大な権力』」だろう。Google=新権力説をさまざまな哲学者の言葉を引用しながら説いていく部分は、読み応えがあった。第6章(そして本書)は、

グーグルこそが、「神の遍在」なのである。それがわれわれにとって薔薇色の夢となるのか、それとも暗黒の悪夢となるのかは、まだだれにもわからない。

と結ばれている。


Google の技術力は現時点では絶対的だと思うけれども、それもいずれ模倣されては行くだろう。Microsoft が PC を支配したのとは違って、インターネットはクリック一つでウェブサイトを渡り歩ける世界である。Google を越える技術力をもった会社が現れれば、数年で Google の地位に取って代わるかもしれない。そうした世界で、Google (あるいは類似の企業)が一人勝ちする状態が長く続くのかはよくわからない。


とはいうものの、現時点でインターネットで一番クールな企業は、Google だと私は思っている。なぜか、Microsoft がどこまで行っても好きになれなかったのとは違い、Google は、Microsoft 以上の権力機関となっていることを知っても、そんなに憎めないんだよね。やっぱりそれは、Google の技術力が本当に凄いからだと思う。(Microsoft は、技術力の無さをマーケティングでカバーしてきた会社だし)


どうなるんでしょうか、これから。Google とインターネットは。