はるか17

はるか17(15) (モーニング KC)

はるか17(15) (モーニング KC)

モーニング連載の漫画「はるか17」。生真面目な女子大生が、ひょんなきっかけで芸能界にデビューし、さまざまな出来事を通して女優として成長していく青春ストーリー。主人公はるかは、22歳だが所属プロダクション社長の意向で17歳として売りだされる。それがタイトルの由来であろう。

基本的には、ガラスの仮面と同じく、ドロドロした芸能界で、いろんな人たちにいじめられながらも、ライバルと切磋琢磨しながら成長していくというお話なのだが、ガラスの仮面のような暗さはあまりない。ごく普通の若者の成長物語のように思える。絵柄も結構好きだ。

面白いのは、テレビ業界を「一部の特権的大手芸能プロダクションが横暴を振るう世界」として描写していることだ。ファインという大手プロダクションが出てくるが、それが彼女の属する弱小プロダクション童夢企画を徹底的に苛め抜く。番組ディレクターたちは、はるかの才能を認めながらも、ファインににらまれるのが怖くて、彼女を使わない。私の興味は、実際のテレビ業界はどうなんだろう、ということだ。げーありえないよー、とかおもったけれど、案外、この漫画に近い世界なのかも。

結局こういうことが起こりえるのは、テレビ局の番組の枠が有限だからだ。ドラマを放映するのは、昼ドラを除けば、午後7時から10時までのプライムタイムだ。いきおい一週間で放映できるドラマの数は限られる。したがって、限られた枠をめぐって芸能プロダクション間の激しい売り込み合戦が展開されるわけだ。

近い将来、民放が総崩れとなり、ドラマがインターネットを通じて配信されるようになったら、どうなるのだろうと思った。ドラマはいくらでも作れるにしても、広告収入が激減してしまう結果、豪華なドラマは作れなくなってしまうのだろうか?芸能界はどう変わっていくのだろうか?