My Job Went to India
My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド
- 作者: Chad Fowler,でびあんぐる
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2006/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私は2004年から2006年にかけて、インド系のある IT 企業でオンサイト・コーディネーター(≒ブリッジ SE)をしていた。職場は東京であったが、ムンバイやプネ(ムンバイ郊外にある都市)のオフショアチームと電話やメールでやりあったり、東京で机を並べてインド人と一緒に仕事をしたりした。だから、Chad Fowler の言っていることはよく理解できた。ときどきにやりと笑える部分もあったりした。たとえばこんなところ。
僕は南インド風の朝食の香りを振り切って階段を駆け下り、玄関を飛び出して迎えの運転手を呼ぶようにドアマンに声をかけた。運転手に長いこと待っていたかを尋ねると、そのとおりだった。しかも2時間。なんてこった。
車に乗ってから5分間ずっと、僕のせいで待たせてしまったことを Joseph にひたすら謝った。彼はあっさり笑って言った。「それが仕事ですから。一日中でも待っていますよ」後からわかったことだけど、これは冗談でも皮肉でもなかったらしい。
なぜなら、彼は Chad Fowler 専属の運転手であり、待ち続けるのが仕事だからだ。ムンバイで私が見たインドもこんな風だった。インドは、階級の上下関係が厳しい。目下の存在は、目上に対してひたする恭順を示す。私は、ビジネスで行ったからホテルの従業員から "Sir" とか呼ばれてくすぐったい思いをした。4年間住んだカナダでは、毎日英語を話していたけど、そんなふうに一度も呼ばれたことがなかった。
オフショア開発なんて対岸の火事みたいに思っているパラダイス鎖国な日本の SIer さんたちには、ちょっと参考になるかもしれない本だ。