日本の経済はどこへ向かおうとしているのか?

いくつかのブログエントリで表明したように、いま私は日本の行く末に関して、なんとも気味の悪い予感にさいなまれている。日本の経済が衰退していくのではないか、という予感である。ただ、予感だけでは私が主観的に感じるだけのことであり、他者と感覚を共有することはできない。

鉄鋼・自動車・家電というすでに30年まえに主役であった産業に日本経済が深く依存しており(これも事実かどうか要検討)新しい産業が勃興してこないという事実(本当か?)。その一方で、家電をはじめ、自動車までが機械の仮面をかぶったコンピュータとソフトウェアそのものになりつつある製造業界のトレンドのなかで、日本人のソフトウェア製作能力の低さ(これはソフトウェア制作の現場から率直な印象)。ホワイトカラーの生産性向上に IT を利用する能力の低さ(証拠は?)。こうしたものが予感の根拠になってはいる。

財務省が取っている貿易統計の数字を紹介しよう。国の経済の健康状態をはかる物差しの一つとしては、貿易収支があるだろう。貿易収支は、輸出 - 輸入という数式で表されるが、これが長期間にわたって赤字であることは、その国の経済にとって、健全なこととはいえない。外国への借金が増えている可能性が高いからだ。(貿易外収支というのもあるので、一概には言えないけれども)

ここから数字を拾って、Excel を使って「輸出÷輸入 * 100」という指標をグラフにプロットしてみた。

1985年のプラザ合意に始まる円高の直後に最高値の 164 を記録している。それ以降、20年間長期低落傾向にあるように見える。統計の最新の数値は、2006年の 112 である。100 を割り込めば、貿易赤字に転落ということだ。単純にトレンドを延長していけば、そうした事態がむこう10年以内に起こりそうにも見える。

しかし、その一方で、こういうニュースもある。

08/02/01 読売新聞

松下、最高益1151億円…07年10〜12月期
薄型TV、「白物」好調

 松下電器産業が31日発表した2007年10〜12月期連結決算(米国会計基準)は、売上高が前年同期比3・8%減の2兆3445億円となったが、本業のもうけを示す営業利益は21・8%増の1653億円、税引き後利益は46・4%増の1151億円と、10〜12月期としては過去最高を記録した。薄型テレビや白物家電などが、主に海外で好調だったのが要因。売上高の減少は、日本ビクターが連結対象から外れた影響だ。

 営業利益率は7・1%で、1990年10〜12月期(8・5%)以来、17年ぶりに7%を超えた。

http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080201ke02.htm

08/02/01 東京新聞

液晶テレビ好調で過去最高益 シャープ、10−12月期

 シャープが1日発表した2007年10−12月期連結決算は、売上高が前年同期比12・3%増の9212億円、純利益は3・8%増の295億円で、ともに過去最高だった。

 主力の液晶テレビアクオス」や、国内向けの携帯電話が好調だったことに加え、大型液晶パネルの他社向け販売が拡大した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008020101000643.html

日本の家電メーカーは本格的に復活してきているのか。それとも単に一時的な復活にすぎないのか?判断に苦しむところである。私の印象では、とても日本の家電メーカーたちが時代の変化に対応できているようには思えないのだが、数字の裏づけがなければ単なる印象論にすぎない。

正直よくわからない。しかし、ブログを通して考え続けていこうと思う。いま日本経済がおかれている現状というものを。