運河めぐり

今日もカンカンと周さんに連れられて杭州のさまざまな場所へ出かけた。まずは昼の西湖。湖岸は実によく整備されていて美しい。湖に接して青い芝生の公園があり、カナダ・トロントのセンターアイランドをほうふつさせる。あるいは、この街と湖が自然に融合している姿は吉祥寺と井の頭公園との関係を思い起こさせる。

その後、杭州市の北、西渓というところから船に乗って、京杭大運河を一時間くらい遊覧した。この運河は、隋が紀元610年に完成させた、北京と杭州を結ぶ大運河である。船は、形といい内装といいモダンで驚いた。船の先頭に立つと、風が吹き込んできて気持ちよかった。

夕食は、周さんお勧めの杭州料理店・外婆家(高等法院前の本店)へ出かけた。この料理店、実に洗練された内装と雰囲気で、東京・表参道にあってもおかしくないような店であった。杭州料理の特徴は、甘さと酸っぱさの調和にあるという。この料理店の食事は驚くほどうまかった。正直、中国でこんなにおいしい食事は初めてだった。

杭州は、バスのシステムが進んでいる。数年以内に地下鉄一号線が完成するとはいえ、現在のところ市民の足はバスである。バス停では、バス路線ごとに、あと何分で到着するかディスプレーの上に表示されている。これだけなら、都バスにもある機能だ。驚いたのは、このバス停まで何メートルの位置まで接近しているかも表示されるということだ。これはつまりバスが GPS を積んでいて、バス停との距離が計算されて表示されているわけなのだ。おそらくこの距離に基づいて到着まで時間を予測しているのであろう。

夕方、杭州料理店からホテルへ戻るときは、急行バスを利用した。杭州には、バス専用レーンがあって、この上を走るのだ。料金は3元とやや高いが、車両は最新式で実に快適である。これは青年汽車という中国の自動車会社が製造したものだった。中国の技術力が確実に上がっていることを実感した。

杭州・京杭大運河(写真)http://flickr.com/photos/26605052@N06/2908910527/