ハノイ名所めぐり

今日も、引き続き、アインさんの案内で、ハノイ観光に出かけた。午前、まず最初に出かけたのは、ホーチミン廟。現代ベトナム建国の父、ホーチミンが眠っている場所だ。廟自体は、こぶりなコンクリート作りの建物で、引き締まった表情の護衛兵に守られている。その前には美しい芝生の広場が広がっている。ベトナム天安門広場という感じだ。世界中の観光客が盛んに記念撮影を行っている。

次に行ったのは、ホーチミン博物館。ホーチミンの業績と人柄を伝える事物が展示されている。ホーチミンは、ベトナムの人々から本当に愛されているようだ。ホーチミンは清貧の人で、人民の幸福のために尽力したとベトナム人は信じている。日本でいうと西郷隆盛のような人物なのかもしれない。こうした偉大な人物たちと自分を比較するのはおこがましいが、私も、これからの人生でなんらかの形で社会をよくする仕事をしてみたいと思った。

文廟に出かける。1070年に孔子を祀るために立てられた廟である。1076年には、境内にベトナムで最初の大学が開設された。(by 地球の歩き方) ここで、多くの学生が学び、その中で特に優秀な人々が博士の称号を与えられたようである。建物の装飾は中国のように極端に華美ではなく、日本人にもなじみやすい感じである。オレンジ色の瓦の形がクッキーを積み重ねたようで、かわいらしかった。

最後に行ったのはベトナム民族学博物館。少数民族の家屋・衣装・生活用品などが、展示されている。少数民族の家々はどれも涼しげだった。人間は、暑ければ暑さを防ぐように、寒ければ寒さを防ぐように家を作るものだ。人間の環境適応力のすばらしさについて考えた。民族学博物館には美しい中庭があり、そこに少数民族の復元された家屋が点在するのだが、その風景を背景にして、純白のウェディングドレスに身を包んだ新婦たちが、記念撮影を行っていた。その数は、数え切れないほど多かったのには、驚いた。まるで結婚式場かと錯覚するほどである。

アインさんにベトナムの結婚事情を聞いてみた。ベトナムでは結婚適齢期は、女性が 20-27 歳、男性が 20 - 30 歳だそうで、30歳以上で独身の人たちはほとんどいないそうだ。離婚率もまだまだ低いが、年々上がってはきているらしい。アインさんは、いまは外資系の不動産会社で働いているが、夢は、ベトナム航空のスチュワーデスだそうである。20代半ばの彼女がもしその仕事を得れば、おそらく結婚はさらに遅くなるだろう。経済発展は、女性に多くの選択肢を与え、晩婚化を引き起こす。晩婚化に続くのが少子化である。いまは、若年層が大半のベトナム少子化で悩むのはいつの日のことだろうか。