ベトナムのインターネット規制

国家によるインターネット規制といれば、中国が有名である。中国のインターネット規制がいかに包括的かつ緻密なものであるかは、以前このブログにも書いた。ベトナムも中国同様、共産党一党独裁体制であり、思想統制のために、インターネット規制が存在するという話を聞いていた。だが、どうやら中国に比べると、規制があるとしても、はるかにゆるやかなものであるようだ。

例えば、BBC News(http://news.bbc.co.uk)。BBC による歯に衣を着せぬ中国批判に対して、中国政府は国内での BBC News の閲覧を全面禁止していた。今年に入って、ようやく英語版だけは閲覧できるようになったが、中国語版の閲覧はいまだに許されていない。(中国語版は、世界中の華人の多様な意見を知ることができて、非常に興味深いのだが)

中国政府と世界的な人権保護団体アムネスティインターナショナル(http://www.amnesty.org/)は、まさしく犬猿の仲という言葉がぴったりの険悪な関係にある。世界中の人権問題を精力的に告発するアムネスティのウェブページは、当然、中国からは閲覧できない。

ところが、ここベトナムからは、BBC News(ベトナム語版を含む)とアムネスティのウェブサイトは、何の問題もなく閲覧できる。アムネスティベトナムの人権問題を告発するページも見てみたが、やはり何の問題もなく普通に閲覧できる。

そもそも、中国のような中国人自身が気付くことないような巧妙なインターネット規制は、技術的には極めて高度なもので、簡単にまねできるような代物ではない。(現に、アメリカのコンピュータ企業が協力しているという話である)ベトナムには、そこまでのインターネット規制をする気がないのか、それとも予算が足りないのか。ベトナム語の世界には規制があるのかもしれない。しかし、中国より英語がよく通じるベトナムでは、英語ページを規制しないと思想統制は難しいと思うのだが。