停電

ホイアンで、昨日と今日、2回停電があった。今日の停電は長く、昼に2時間くらい電気が止っていた。停電すると、私が宿泊するこのホテルでは、スタッフが、手際よく発電機をホテルの玄関口に持ちだして、スイッチを入れる。発電機が、うなり音を立てて動き始めると、少しずつホテルの明かりが元に戻っていく。その騒音たるや、工事現場のただなかにいるようである。

ホテルのスタッフが、日々の日課であるかのように停電を受け入れるさまから推測するに、停電はここでは日常茶飯事なのであろう。日本のように、きわめて電力事情のよい(おそらく世界最高の)国に長くすんでいると想像が付かないだろうが、発展途上国では、基本的に電気はいつでもあるものではない。だから、少しまともなホテルや事務所などは、みな自家発電の設備を備えているものだ。

昔、中国に語学留学しているとき、私の住んでいた、大学の中にある留学生楼では、よく停電した。一度、24時間以上停電したのにはさすがに閉口した。今年の5月、インドネシアの友人宅に滞在したときも、彼の住む高級マンションが停電した。ちゃんとしたところだったので、すぐにバックアップの電源が動き始めた。ベトナムも、電力事情はインドネシアなどと大差ないのだろう。

日本企業が、海外に進出するとき、まず最初に考えなければならないインフラ上の問題は電力事情であろう。進出する場所が、どれくらい安定的に電力を供給する能力があるか、よく検討してみる必要がある。