快晴のニャチャン(追記)

ニャチャンは、ベトナム屈指のビーチリゾートである。5キロにもわたって、美しい白浜が続く。私は、ここで出会った日本人青年ケンゴ君と、午前中2時間ほど、浜で遊んだ。波は思ったより高く、何度も足をすくわれて、海の中に放り込まれ。美しい砂浜に、人影はほとんどない。空はますます晴れ渡り、水平線のかなたに遠くに青い山が見える。実に愉快だ。

私は、民宿御父参という日本人宿を目指した。しかし、この宿はどうやらいまはなくなっていることに気づいた。そこで、他の宿を探していたのだが、通りを歩いていて、ケンゴ君が、あるホテル(民宿)の入り口で、オーナーのおばあちゃんから、お茶をもらってくつろいでいるのが見えたので、私も日本人恋しさに、同宿することにしたのだ。ケンゴ君は、真っ黒に日焼けしてあごひげを生やしたさわやかな好青年である。聞くと、すでに4ヶ月、東南アジアを旅行しているという。特にバリ島の民家に5日間宿泊させてもらった話は興味深かった。その家のとなりに川があり、炊事も洗濯も入浴もすべてのその川の水を使ってやるのだという。隣の家との垣根がなく、隣の子供が朝、自分を起こしに来たり、と日本人としては驚く体験の連続だったそうだ。旅をすると、やはり、驚くべき旅をしている人たちに出会う。そういう話を聞くのはとても楽しい。

いまは、雨季の最後で、シーズンではないということもあろうが、こんなにいいところなのに、旅行客は比較的少ない。街はなんとなくひっそりとしている。観光開発はまだまだという感じだが、その鄙びた感じが気に入った。ベトナム旅行を計画されている方、まだ観光地として完成されていない、青い海と白浜のニャチャンへどうぞ。あと10年もするとすっかり観光地になってしまうかもしれないので、今のうちに。