ベトナムの医療事情

実はこの一ヶ月ほど、軽い咳がときどき出ていた。今年の1月2月にも同じ症状があった。前回は吸入薬ですぐに治った。たいした症状ではないのだが、放っておいて悪化するのもいけないと思い、クリニックを訪れることにした。

訪れたのは、サイゴン中心部にある International SOS。ここには日本人のクニモト医師が常駐している。日本人スタッフもいてみな大変親切であった。

International SOS は外資系の医療機関で、高度な医療設備を備えている。ただ長期の入院が必要な専門的な医療はできないようだ。なんと飛行機を所有していて、急患を隣国のシンガポールやタイ・バンコクへ搬送することもしているとのこと。

日本人医師は一人しかいないようだが、他に英語を話す医師は複数いるようだ。患者は多く、待合室は常にざわめいていた。日本人用のクリニックは、同じ階の別の部屋にあり、こちらは静かであった。もちろん、どの部屋も清潔で、日本の医院とまったく変わりはない。

診断結果は、気管支炎であった。せき止め薬と吸入薬を処方していただいた。言われてみれば、9月の下旬、韓国ソウルにいたとき、かなり冷え込んだので、そのとき風邪を引いたかもしれない。費用は、150米ドル弱。幸い、私のクレジットカード付帯海外旅行傷害保険でカバーできるようである。提携の海外旅行傷害保険に入っていれば、キャッシュレスで治療が可能とのことだ。

ちなみに、健康保険や国民健康保険に入っている場合、海外での治療費用について「海外療養費」として払い戻しを受けることができる。

All About 海外での病気・ケガ費用も健康保険が適用
海外療養費支給制度

一定の条件はあるのだが、私の場合はこの適用になるようだ。しかも「民間の保険会社から保険金が給付された場合でも、減額されることがない」(All About)とのこと。12月に日本に帰国した際に申請してみるつもりだ。

この種の外資系クリニックは、ホーチミン市にほかにもいくつかあるようである。

もちろん、一般のベトナム人には、外資系クリニックは高すぎる。ベトナムの一般の病院に行くことになるが、聞くところによれば、かなり待たされて一日がかりになってしまうという。中国もそうであったが、発展途上国はどこも医療事情が厳しいようである。