カトリック教会

朝いつもの散歩で通る道程に、大きなカトリック教会(写真)がある。今日は、日曜日のミサに信者が多数集まってきていたので、私も潜入してみた。コンクリート建ての無骨な建物だが、中は体育館のように広い。1000人程度なら余裕で収容できそうである。信者たちは、胸で十字を切りながら、敬虔な表情で着席する。二階席で、聖歌隊が賛美歌を歌っている。神父さんが現れて、儀式が始まろうかというタイミングで私は退出した。

社会主義国というお国柄、宗教活動は完全に自由ではないのかもしれないが、ベトナム(特に南部)では、カトリック教会をよく見かける。フランスの影響であろう。仏教のお寺も多い。日本人に比べると、ずっと真剣に宗教に取り組んでいるように見える。というか、日本が特別で、たいていの国はベトナムに近い。

日本人がなぜこんなに世俗宗教に無関心なのかは、各種仮説が提出されているようだ。私には、「日本教」ともいうべき、日本人を拘束する独自の意識が、日本文化の内部に組み込まれているために、日本人が通常の宗教を必要としていないように思える。

その「日本教」と、一企業に生涯を捧げる生き方の間には、何らかの関係があるのかもしれない。それゆえに、日本人は、雇用を脅かすような問題に対しては、きわめてセンシティブにならざるを得ない、といったら穿ちすぎだろうか。