中国の英語学習熱と世界の言語の未来

世界中の著名人の名スピーチを収録する感動的なウェブサイト TED

その中からすさまじい動画を見つけてしまった。

Jay Walker on the world's English mania

中国では小学3年生から英語を学びはじめる。高い学歴を求める激しい競争のなかで、英語学習熱が加速しているという。
この動画のなかで、巨大スタジアムに収容された数万人の子供たちが、ステージ上の教師の言葉を復唱して、

"I want to speak perfect English."

と叫んでいる姿はすさまじい。ちょっと怖い。

中国が20年後、世界第一の経済大国になったとしても、世界中が中国語を話すようになるのではなく、やはり英語で世界中の人々がコミュニケーションする流れは変わらないように見える。

スピーカーの Jay Walker の結論としては、「英語は、世界中の言語を消滅させるわけではなく、『世界の第二言語』として問題解決のための共通言語になるだろう」とのこと。

たぶん、この Jay Walker 氏は英語のネイティブスピーカー。立場的に「英語が世界を征服するぜ、イエーイ。ネイティブスピーカーの俺ラッキー!」とは言えなかったのだろうが、ちょっとなあ。世界の各国で標準語が制定され、徐々に方言が廃れていったときも、標準語は当初「問題解決のための共通言語」として登場したのではなかったのか。そう考えると、100年後、英語のために、相当数の世界の言語が絶滅の憂き目に遭うのではないだろうか。日本語がその中の一つでなければよいのだが。

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