タイ語雑感

言語オタクによるつぶやき。

タイ・バンコクにやってきた。実はタイにやってくるまえ、2週間くらいタイ文字を勉強した。昨日、タイ人からタイ語の発音を少し教わった。声調は、5つあるのだが、高声を除くと、中国語とベトナム語の声調から似たようなものを持ってくれば足りるような気がした。単母音は9つ、二重母音は3つ。これらはベトナム語の母音とほぼ同じだ。ただ母音に長短の区別があるところが、タイ語の特徴らしい。p/ph, t/th, k/kh, c/ch という有気音/無気音の対立が意味の弁別に関わるのは、中国語・韓国語と同じ。-p, -k, -t の子音で破裂させないまま終わる音節や、-n,-m,-ng といった鼻音で終わる音節があるところは韓国語やベトナム語に似ている。(ベトナム語は他にも、-nh, -ch とかで終わったりするのでかなり厄介なのだが)

全般的な、きわめて非学問的な印象を述べると、タイ語の音韻は声調を除くと、韓国語の音韻のサブセットのようになっている(例外は二重母音か)。以前、タイで会った韓国人が「タイ語の発音は簡単だよ」と言っていたが理解できる気がする。以前、インドネシアのある少数民族の言語の表記にハングルが採用されたことの是非が話題になっていたが、タイ語はかなりの程度、ハングルで表記可能であるような気がする。

私は、アジアの言葉は、母語の日本語の他に、韓国語・中国語・ベトナム語を本格的に学んだ。さすがに地理的に近接しているだけがあって語彙・文法・発音は結構似ている(言語連合 - Wikipedia)。本当はもっといろいろウンチクを垂れたかったのだが、いろいろ調べていくうちにこういう本物の言語マニアたちの前ではハナタレ小僧に過ぎないことを感じ入り、恥ずかしくなってやめることにした。