政治家への個人献金を256倍楽しくする方法

前回、

はてな村がつくる政治団体 - Rails で行こう!

というエントリで、「はてな村政治団体をつくり、みなで集めた会費を代議士に政治資金を献金して、政治に影響力を及ぼそう」と提案した。

私は、原則、言ったことはやりたいと考えている人間である。しかしながら、私が直接、日本の政治に参加するのは、個人的な理由で(少なくとも向こう数年は)難しい。自分ができないことをえらそうに語るのは、評論家だ。私は評論家にはなりたくない。だが、この「はてな村政治団体」について、アイディアが湧いてしかたないので、心苦しいが「出来もしないこと」を語る身勝手を許して欲しい。

はてな村には、ご存じのとおり、実にさまざまな政治的意見が存在する。「はてさ」(はてな左翼)という言葉はあるが、「はてう」(はてな右翼)という言葉はないので、左翼的な思想の人が多いのかもしれない。しかし、国家権力の介入を肯定する左翼とは正反対の、市場原理を重視する「小さな政府」派もいる(私もその一人である)。

思想はいろいろあっていいのだ。実は「はてな村政治団体」の設立・運営にあたって、会員の政治的思想を統一する必要はない。ではどうするのか?

投資信託というものをご存じだろうか?投資家は、まず投資信託に対して出資する。そして、ファンドマネジャと呼ばれる投資のプロが、集めた資金を適切な株式や債券などに投資して利益を得て、手数料を差し引いた上で、投資家に分配する仕組みである。

はてな村政治団体でも同じことをしたらどうだろうか?ある政策を支持する代議士の組みあわせを考える。たとえば「ネット選挙解禁に前向きな代議士」として、A, B, C という3人の代議士がいたとしよう。はてな村政治団体の中に、「ネット選挙解禁ファンド」というものをつくり、それにその趣旨に賛同する会員から募金を募る。そして、「はてな村政治団体」はA, B, C の各議員に対して、彼らの政策に対する熱意と実績に比例して、資金を献金するのである。政策に基づくファンドであるから、これを「政策ファンド」と呼ぶことにしよう。

「政策ファンド」からの献金を受けた議員は当然ながら、その後の行動に対して説明責任を負う。定期的に、その政策推進に対する貢献度を報告してもらう。あるいは、はてな村政治団体から資金提供を受ける場合には、議員は、かならず twitter アカウントを作って、そこで一日一回以上政治活動を報告することを義務付けてもいいかもしれない。

その「政策ファンド」は、「はてな村政治団体」の会員自身が作る。ある政策を実現して欲しいと願う会員は、それを支持する代議士たちを見つけてきて、政策ファンドを立ち上げる。その作業は、すべてオンラインでウェブサイト上で行えるようにするのだ。(そのウェブサイトは、はてな村の有志が作る・・・はてなーにとっては朝飯前だろう)

一人の議員が複数の政策ファンドに属することもありうる。いずれにしろ、各基金の募金合計額、各議員への献金額、各議員の政策実現にむけての実績、などが明確に評価され、すべて公開される。「議員別・はてな村から献金額ランキング」「議員別・実績ランキング」など作っても面白いだろう。

そうやって政策ごとに数百のファンドが立ち上がり、はてな村政治団体の会員は、ファンドの「目論見書」やランキングを見ながら、自分の思想信念にいちばん近いファンドを選び、かつ献金額を決定することができる。支払いは、クレジットカードでも銀行振り込みでも Pay Pal でもOK。あらかじめ支払い方法は登録しておき、気軽にファンドへ寄付を行うことができる。

自分がカネを出したとなれば、献金先の議員がそれをどう使ったか気になるものだ。それが政策実現に役に立ったことを目の当たりにすれば、自分も政治に参加し、政治を変えうるという実感を得ることができるだろう。政治を身近に感じるようになり、選挙の投票率も上がると思うのだが、どうだろうか。