絶望老人国家日本に未来はない

韓国では今年からすべての小中学校でデジタル教科書が義務化される。

来春から義務化される韓国のデジタル教科書事情

他にも将来の少子高齢化をにらんで移民を容認する方向で政策を転換したり、自由貿易協定で積極的な動きを見せたりしている。

なぜ韓国の動きが迅速なのか。秘密は人口ピラミッドにあるのではないか。韓国は全体して日本より10歳以上若いのだ。韓国でネットが市民権を得ているのは、ネットが普及し始めた1995年当時40歳未満の国民が大半だったからじゃないか。

図録▽韓国の人口ピラミッド

一方、日本ではもっとも年齢帯人口の多い団塊の世代は、戦後の経済成長の最大の受益者であり、既存の社会体制に対してもっとも肯定的な人々。その人たちが現在、政財界のトップにいて、がっちり既得権益を守っている。日本が変化するわけがない。

日本のように人々が年齢によって振る舞いを変えることを期待される社会では人口ピラミッドを使った社会分析が特に有効ではないか。直近の「失われた20年」は団塊の世代という保守的な多数派が管理職になり、若手の新しい動きを封殺したからだ。

老人たちが多数派で、古い価値観に固執し、年少者は年長者に従うべきだという思想がある限り、日本はこの先も変化しないだろう。財政破綻があろうと焼け野原になろうと、もう戦後のような「ゼロからやり直す」機会は訪れまい。あるのはただ緩慢な衰退のみ。

統計局ホームページ/人口ピラミッド 昭和25年(1950年)