田舎道の風景

今日はフエから南に200キロくらいのところにあるホイアンへ移動する。朝8時半、ホテルにピックアップに来たバスに乗り込む。途中、雨が激しく降り出した。

いま走っている道は海岸線沿いにベトナムの南北を縦貫する国道1号線である。だが、道は鄙びていて、日本で言うと地方のさえない県道程度の道である。舗装はされているが、道はかなりいたんでいて、バスはよく揺れる。片道1車線に過ぎず、これが南北の物流の大動脈かと思うと、やや心細い。おそらくは近代的な高速道路の建設計画はあるのだろうが。

この先のハイヴォン峠は、急峻でかつては峠越えが難しい場所であった。しかし、日本政府の ODA と技術協力により 2005 年に東南アジア最長の 6.4 キロのトンネルが開通し、峠越えに必要な時間が1時間から10分に短縮されたそうだ。たまにはいいことするじゃん、日本政府!ODA 供与機関で働いている大学時代の友人の顔が思い浮かんだ。

ところで、ベトナムの田舎道では、実に多くの動物を見ることができる。水田ののっそりと立っている水牛、水田の隅に固まっている鴨、民家の庭先でひょこひょこ動き回る鶏、のんびり昼寝をする犬などなど。人間ものどかに道端に立ったり座ったりしていて、こうした風景の一部となっている。

バスの中でうたたねするうちに、ホイアン到着。例によってバスが止まったところにあるホテルに泊まることにする。このホテル小奇麗で、リゾートホテルっぽい作り。申し分ないのだが、なにか物足りないな。一泊12ドル。

部屋で無線 LAN インターネットが使えない。使えるといわれて来たのに。やれやれ、だまされたか。フロントいわく、機器トラブルですべての部屋で使えないとのこと。他のホテルに移るにも、今日のホイアンは土砂降りの雨。幸いロビーでは、隣のホテルの無線 LAN は入る。その隣のホテルに移るか?いや重いスーツケースを引きずってそこまでしたくないわ。