日本の IT ビジネスを巡る素朴な疑問

今年に入ってから、私はウェブに関する基礎技術について、PHPRuby on Rails を通して学んできた。いくつかのプロジェクトを通じて、なまっていた技術者としての腕も再びよみがえってきた。頭は1999年に日本を一度去ったときの技術レベルからようやく2005年くらいまでの水準まで、アップデートされてきた。(まだ1年半くらいのギャップは残っているとは思う)

Ruby 界隈の技術を勉強する仮定で、ネットやリアルですばらしい技術者たちにおおぜい遭遇した。彼らはまだ若いが、技術に対する考え方が非常にしっかりしている。哲学があるのだ。私は、技術だけでなくその哲学をまた吸収させてもらった。

その一方で日本の IT ビジネスの現状のなんとお寒いことか。独立系のネットベンチャーを除けば、大企業のユーザーを頂点とする元請=下請関係のピラミッド型構造の中で、エンジニアを「人売り」する人月商売ばかり。そこには、何の技術的集積も進歩も面白みもない。

日本には、これだけ優秀な技術者がいるのに、それを活用できている企業がなぜこんなに少ないのか?技術者にとって本当の意味で勉強の機会がたくさんあり、かつ提供するサービスが顧客に喜ばれ、財務的にも安定している企業。そういう企業はなくもないだろうが、なぜこんなに少ないのか。

私は、本気でその理由が知りたい。日本を代表するハッカーたちはこの現実をどう考えているのか?(まあ彼らは優秀だから、自分の好きなことをやれる環境をすでに手に入れていて、個人的には大して不満を感じていないのかもしれないな・・・)

私は、株式会社ソフトカルチャーの代表であり株主である。できれば私はこの会社を、イノベーションを生み出せるような優秀な技術力をもった会社に育てて生きたい。・・・でもどこからかマーケターの嘲笑が聞こえる。「技術屋が作った会社は経営を失敗する」たしかに、技術力がすべてではなく、営業力・マーケティング力・財務力といった総合的な力が、企業の命運を分けるのは間違いない。だったら、そういう力を持てばいいよね。

なんで日本には Google がないんだろう?という素朴な疑問に答えるため・・・。