Brain Machine Interface と Second Life

Google をいくら検索しても Brain Machine InterfaceSecond Life というテーマで面白い記事がなかったので、読みたかったような文章を自分で書くことにした。Brain Machine Interface とは脳に何らかのセンサーや刺激器を取り付け、脳と機械(コンピュータ)を直接繋ごうという試み。Second Life は3次元の仮想空間ではあるが、ゲームではなく、仮想空間での土地を買ったり、モノを買ったりと、リアルの生活とよく似た活動を行え、かつリアルと連動するお金が動くということで、一部マニアだけでなく、各国の大企業や政治家にも注目されているものである。

私もサインアップして Second Life の世界を少し探検してみたものの、残念ながら私のノート PC はグラフィック性能が低く、とても快適に3次元世界を楽しめない。それでも少しだけわかったことがある。

Second Life ではユーザーは3次元のアバター(人形のようなもの)に扮して、世界を歩き回る(あるいは飛び回る)ことになる。そしてこの3次元のアバターは、さまざまなジェスチャーが可能である。たとえば笑うとか、肩をすくめるとか、フラダンスを踊るとか(!)。基本的にここで行われているのは、チャットのようなものである。しかし、チャットと違うのはそれが3次元(がモニターという2次元空間に投影されたもの)で行われているということだ。

これが何かの変化を生み出すのだろうか?私はその問いに yes と答える。

私は頻繁にこう思う。光ファイバーが普及してデータが 100Mビット/秒でやり取りされる世の中になったというのに、なぜわれわれはまだ物理的に移動しなければならないのか、と。それは、PC がもたらしてくれる情報が、まだリアルな感覚に追いついていないということだ。なぜ大企業のオジサマ方は、わざわざ新幹線にのり会議に出席するため大阪から東京へ(またはその逆に)移動するのか?どうして、その物理的に移動に伴う多大な経済的負担にかかわらず、無料の N 対 N へのチャットサービスで事足りとしないのか?それは、チャットサービス(あるいは実写のビデオ会議でさえ)リアルに face to face となったときの人と人の間の非言語的情報を十分に伝えることができないからだ。

逆にいえば、そういう非言語的情報を十分に伝えることができれば、物理的に人と人が会う理由は消滅する。そうした方向への進化の一つのマイルストーンSecond Life なのだろう。(こうした進化の方向は、パソコン通信ニュースグループから始まっている一連の流れである)Second Life はリアルとバーチャルが完全に互換となる究極の姿に比べればまだ原始的な姿ではある。しかし、そうした究極な姿を先取りしているとはいえるだろう。それは現在の進化したウェブブラウザ(IE/Firefox/Safari)に対して Mosaic がその原型であったように。

Second Life はいずれに必然的に Brain Machine Interface に結びつくだろうと私は見ている。キーボードとマウスでは 3D 空間を自由に動く回るにはあまり直観的ではないからだ。もし考えた瞬間に、自分がリアルな世界で話すように、モニター上の 3D 空間で話していたら?そこで、リアルとバーチャルを隔てるものはなんだろう?私たちがリアルな世界で物理法則に拘束されていきる存在である以上、リアルな世界というのはそれなりの現実感を伴ってわれわれに迫り続けるだろう。しかし、バーチャルな世界もそれとは違った意味で、切実な存在となる。結局、リアルとバーチャルは互いに刺激を与えながら共進化することになるのだろう。