ネット通貨がリアル通貨を駆逐する日


ネット上だけで支払いが完結するネット通貨、はてなやグーグルの発行するポイントのようなもの、それがリアルの通貨を世界から駆逐する日がやってくる。いまは荒唐無稽に聞こえるかもしれない。しかし、その日は必ずやってくる。情報が摩擦ゼロで世界を流動するためには、その情報の流れの反対方向に、摩擦ゼロの通貨の流れがなければならない。もちろんこれは革命的なパワーシフトだ。古来、通貨発行権と徴税権は常にワンセットだった。それは民族国家から徴税権が何か別の実体に移動することを意味する。そんなに簡単に民族国家はその特権を手放さないだろうが、技術的進歩はまさにその方向を指し示している。


正確にはこういうことが起こるだろう。民族国家はドルや円を発行しつづける。しかし、その価値はたとえばグーグル電子通貨によって担保されるようになる。つまり、ドルや円はグーグル電子通貨に兌換であるゆえに価値を持つ。


「現行法ではそんなことはできない」とかいう議論は、著作権がそうであるように、法律が常に過去の権力闘争の妥協の産物に過ぎないという本質を見ていない。自然法則と人間性の本質に反しない限りすべてが可能であり、これから何が起こるかは誰にもわからない。グーグル(またはグーグル的な何か)は新しい形の世界政府になっていくのだろうか?