パラダイス鎖国のすすめ?

「ヒューマン2.0」で有名な渡辺千賀さんの日本は世界のブラックホールか桃源郷か が面白い。

スタンフォード大学で行われたあるビジネス系のイベントに出席した渡辺さん。日本がある意味最先端を行っている分野なのにも関わらず、そこでは日本に対する言及はほとんどなく、日本企業の出席もなかった。「日本って、本当に世界から隔絶されてるんだなぁ」と感じる彼女。

しかし、この後の彼女のセリフがふるっている。

・・・・さて、この先の話の展開として、私が
「日本が世界から隔絶されているのは良くない、何とかしてその壁を乗り越えるべきだ」
と言うと思った方。

残念でした。そんな普通のことは言いません。うふふ。

私としては、「これはこれでいいんじゃないの?」というのが自論。

ここらへんが、同じシリコンバレー系でも梅田望夫さんと対照的だ。梅田さんが直球勝負のためにいつも炎上ぎみなのに対して、渡辺さんはさらりとユーモアでかわす。敵を作らない。

日本市場は巨大な隔絶した市場である。そのため世界のほかの場所では見られない摩訶不思議なものが作られる可能性がある。だがその一方で日本独自のものが世界に受けられないリスクもある。すると外貨収入を絶たれ、経済はジリ貧となるだろう。

だが、

「外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」

っていう選択肢は本当に無いのかなぁ、と思うのですよ。太陽発電等をもっと推し進めて輸入燃料依存度を減らす、都市を分散して個々の生活圏を縮小し、燃料を必要とする乗り物への依存度を減らす、などといった方法で燃料消費を極限まで押さえ、一方で食料自給率を圧倒的に上げる(家庭菜園の推奨・・はさすがに無理がありますな)。外貨だって、全く稼げなくなるわけではないし。世界と全く違う、というところを生かして観光客をもっと大量に呼び込むという手もある。

と渡辺さんはあくまでも日本の将来にポジティブである。

そうですね・・・そうだといいですね。そうだといいんですが・・・そうですね。