ベトナムのオープンソース運動

ビジネスモデルといえるほど大層なものではないが、東京で私はどういう風に仕事を得ていたかというと、ほとんどコミュニティ活動からである。RubyRuby on Rails の勉強会で知り合ったひとたちから仕事をもらったり、逆に一緒に仕事に誘ったりした。勉強会自体は、決してビジネスを目的にしたものではなく(むしろ、ビジネスのことをおおっぴらに話すのは、憚れる雰囲気があった)純粋に技術を学ぶ集まりだったのだが、それゆえ、損得抜きでお互いの考え方やスキルを十分に観察することができたので、安心して一緒に仕事ができた。また、積極的に勉強会に参加する人たちは、意識もスキルも高かったのは確かである。

ベトナムにも同様の集まりはないか探しているのだが、なかなか見つからない。ベトナムでも LAMP 系の技術を仕事で使うケースは多いのだが、なかなかそれを勉強する自発的な技術者の集まりというのは、まだあまりないようである。オンラインにはフォーラムと呼ばれるサイトがあり、そこではいろんなトピックに関して活発に議論が交わされている。(もちろん全部ベトナム語の世界だ)たまにオフ会があるのかもしれないが、まだそこまで調査は進んでいない。

ベトナムの技術系フォーラム

ベトナムのソフトウェア技術者たちの多くは、欧米向けのオフショア開発に従事している。ビジネス・ソフトウェアとなると Java .Net で構築されることが多く、フォーラムも Java .Net のものが一番活発であるようだ。

日本で見かけるギーク的な人は少ない、という話をあちこちで聞いた。ベトナムで、中流以上の家庭に PC が入ってきたのは、2000 年以降であり、日本のように子供のころから PC をいじり倒していたなんていう人は少ないせいだろう。いまは、ベトナムの大都市は十分豊かになっている。大学のキャンパスでも、ノートパソコンで熱心に調べ物をしている学生たちの姿を頻繁に見かける。ベトナム人は、もともと手先が器用で、細部にこだわる民族性を持っている。いま、家でパソコンをいじっている中学生・高校生の中から、将来のスーパープログラマが生まれるのかもしれない。10 年後のベトナムが楽しみである。

私は、何らかの形でベトナムでコミュニティ活動ができないか考えている。今まだないのなら、私が作ってもいいかな、と。「ベトナム Ruby の会」とか(笑)。うーん、本当にベトナムRuby コミュニティはまだないのかな〜。もしご存知の方がいれば教えてください。