第2日本を作る

かつてソニーのCEOだった出井伸之氏が面白いことを言っている。

「まず先に、第2ソニー、第2トヨタ、第2東京を作った方が良いよ」:日経ビジネスオンライン

これはタイトル勝ちだ。出井氏は日本の企業は非常に保守的になっているので、古い会社を無理やり変えようとするより、成長の余地のある新しい企業を作ったほうがいい、と言っているのだ。

でも、「新しい会社」なんてまだ話が小さくないか。いっそのこと「第2日本」を作ってしまったほうがよいのではないか。

たとえば、かつてアメリカ合衆国は、「第2イギリス」であったのかもしれない。いまは帝国主義の時代じゃない、世界のどこに新しい日本を作る土地があるんだ?と考える人は頭が固すぎる。ここバンコクに10万人の日本人が住んでいるように、世界中の大都市の隙間に、日本人たちは住み着くことができるし、新しい考えを持つ日本人たちがインターネットの上で結びつくこともできる。

いまの日本社会は、絶望的に保守的で閉鎖的だ。それをむりやりこじ開ける必要はないんじゃないか。たぶん、自らの硬直性ゆえに近い将来、衰退の憂き目に遭うだろうが、自ら選んだ道なんだから仕方ない。そんな連中は放っておいて、変化を恐れないものたちだけで「第2日本」を作る方がよほど手っ取り早い。

地理的・心理的に、古い日本の「外側」に位置する私たちのような人々がこれから「第2日本」を作っていくのに果たす役割は決して小さくないはずだ。