国際収支統計

国際収支統計とは、居住者(R)と非居住者(NR)の間の財・サービス・資本のやり取りに関する統計である。

次のサイトがよくまとまっている。

「国際収支統計」の解説:日本銀行
国際収支統計 - Wikipedia

いくつかの勘定科目があり、それぞれについて、R => NR, NR => R の2方向でまず集計し、最後にその差分「黒字」「赤字」と表現する。

勘定科目一覧

1 経常収支
  1.A 貿易・サービス収支
    1.A.a 貿易収支
      1.A.a.1 一般商品
      1.A.a.2 加工用財貨
      1.A.a.3 財貨の修理
      1.A.a.4 港湾調達財貨
      1.A.a.5 非貨幣用金
    1.A.b サービス収支
      1.A.b.1 輸送
      1.A.b.2 旅行
      1.A.b.3 その他サービス
  1.B 所得収支
      1.B.1 雇用者報酬
      1.B.2 投資収益
  1.C 経常移転収支
2 資本収支
  2.A 投資収支
      2.A.1 直接投資
      2.A.2 証券投資
      2.A.3 金融派生商品
      2.A.4 その他投資
  2.B その他資本収支
      2.B.1 資本移転
      2.B.2 その他資産
3 外貨準備増減

仕訳

居住者と非居住者の間の取引を仕訳する。

なんだか国際収支統計では、借方を右、貸方を左に書くようだが、意味がよくわからないので、普通の会計と同じく、借方を左、貸方を右でやってみる。

*一般商品を輸出

現金預金 1000 | 一般商品 1000

*一般商品を輸入

一般商品 500 | 現金預金 500

集計

一般商品は貿易収支に属する。したがって、

一般商品の貸方を集計して、

輸出 1000

一般商品の借方を集計して

輸入 500

貿易収支 = 輸出 - 輸入 = 500 の黒字

ということでよろしいか。

一方、現金預金は、投資収支(その他投資)に属する。

現金預金の借方・貸方を合計相殺すると、

現金預金 + 500 が残る。これは、対外債権の増加であり、外国にカネを貸している => 資金流出(赤字) と考える。

従って、投資収支 500 の赤字ということになる。

恒等式

ここでは 

経常収支 = 貿易収支 = 500
資本収支 = 投資収支 = -500
外貨準備減 = 0

経常収支 + 資本収支 + 外貨準備減 = 0

恒等式が成り立っている。

ぼやき

でもねー。本当は、対外債権の増加を以て、資本収支の黒字と表現し、

経常収支(外国へのモノの受け渡し) = 資本収支 + 外貨準備増(対外債権増)

としたほうが分かりやすいんだけどなあ・・・。

特に外貨準備の減少をもって、プラスとして表現するのは不思議。外国に貸していたお金が返ってきたのはプラスでしょ、という意味なんだろうが・・・。