Barcamp Singapore 4

Barcamp Singapore 4 が11月21日、Suntec 3 の IDA Singapore で行われた。IDA Singapore とは、何か。

The strategic goal of the Infocomm Development Authority of Singapore (IDA) is to cultivate a vibrant and competitive infocomm industry in Singapore - one that attracts foreign investment and sustains long-term GDP growth through innovative infocomm technology development, deployment and usage in Singapore - in order to enhance the global economic competitiveness of Singapore.


シンガポール情報通信開発局(IDA)の戦略的目標は、シンガポールに活気あふれる競争力のある情報通信産業を育成することである。イノベーティブな情報通信技術開発を通じて、外国の投資を引き寄せ、長期的な経済成長を可能とする。その目的は、シンガポールのグローバルな経済競争力を拡大するためである。

バンコクプノンペンで見たような、他の企業の広告を見かけない。しかし、朝食、昼食、3時のおやつと豪華な食事が3回も振舞われた。コーヒーも飲み放題だし。このカネはどこから出ているのか・・・どうやら IDA かららしい。それが証拠にときどき IDA のお役人が出てきて、簡単なプレゼンテーションをする。しかし、人口500万人のシンガポールのお役人は、とてもフランクでカジュアルだ。話していることもいたってまとも。まじめにソーシャルネットワークについて語っていたりする。

Wi-fi は Wireless@SG という政府がやっている無料 Wi-fi がそのまま使えた。あーなんてセンスのいい政府なんだろう。Barcamp を直接支援するなんて。極東の某国を思うに、思わずため息が出た。

Barcamp Singapore の話題はテクノロジー的な話は少なく、どちらかというとある種の社会活動をITを使ってやっているという話題が多かった。面白いなと思ったのは、たとえば、Kiva.org などの social lending の話。(主に)先進国の人が、途上国の人たちの起業を直接支援するシステムだ。貸し手は小額(数百ドル程度)を借り手に直接貸し出す。貸し手と借り手はネットを通じてお互いに知り合うことができ、借り手のパフォーマンスを見守ることができる。現在では、1億ドルを超えるお金が Kiva.org を通じて貸し出されているそうだ。返済率は 98% を超える。

シンガポール人というと金儲けのことばかり考えているという偏見があったのだが、いろんな形でボランティア・NPO 活動に真剣に取り組んでいる人たちがいるのを発見できたのは収穫だった。シンガポールの国としての成熟を感じる。

どうしても日本の場合、言語的な壁があるために、こういう国境を越えるソーシャルレンディングの話は話題になりにくい。日本のギークたちも、こういう方面に関心を向けてみたらどうだろうか。