ハッカーズスペース・シンガポール

Hackerspace.sg

Barcamp ノマド@preetamrai などが中心になって作ったシンガポールギークたちの溜まり場である。4人で家賃を折半して、借りたスペースだそうだ。その行動力がなんだかうらやましい。サイゴンにも作るか・・・。

イノベーションは、こういう場所から生まれるんだろうな、と思う。物質的に豊かになりきった現代人にとって、いま本当に必要としているのは、安心して自由に意見を交換できる「コミュニティ」なのかもしれない。たとえそれが冷徹な資本の論理によってやがて切り裂かれていく運命にあるとしても・・・。

昨日見た、Kiva.org のような途上国向けのマイクロファンディングサービスもそうだけど、現代人はこの高度資本主義社会のなかで、資本機械の歯車ではなく、「生きている実感」を感じようともがいているのかもしれない。

私は、20歳過ぎまで、絶対的な孤独のなかで生きてきた。ある程度の期間と費用のかかるプロジェクトについて、他者に協力してコミットするのが苦手である(やれやれ、それじゃ起業なんかできないじゃん)。その根底にあるのは、「自分がこのプロジェクトに興味を持っていられるかわからない」「他者がずっと協力し続けてくれるか信用できない」という二つの感情である。やれやれ。自分自身も他者も信じていないのだ。しかし、たとえ裏切られることがあったとしても、信じて一緒に何かを達成することだけが、人生に本当の豊かさをもたらしてくれるのではないか。やれやれ、できれば小学校時代に戻って、クラブ活動を一緒に誰かとまじめにやるとか、「他者と協力して何かを達成する充実感」というのをリスクの低い形で学びなおしたい。

あるいは、これは私の気質なのかもしれない。分裂気質。本によれば学者や芸術家のような一匹狼向きの気質だという。もしそうだとするとやっぱり難しいのかな・・・他者との協力は。やれやれ、不毛な人生を送るべく運命付けられているのか。それとも自分の気質を乗り越えて、豊かさをつかむことができるのだろうか。