サービス業先進国・オーストラリア

年末年始、豪州に旅行してきた。シドニーエアーズロックメルボルンを訪ね、豪州の大自然を満喫した。野生のコアラやカンガルーも目撃できてラッキー。

宿泊したB&B親日的なご主人と話をする機会があった。もともと農業機械の技師だったそうで、頭の切れそうな品のよい白人の紳士である。これからメルボルン近郊の有名な行楽地に向かうことを告げると、いまは休暇の季節だから大変混雑するから宿の確保には用心しろと言われた。豪州人は夏休み(南半球はいま夏である!)をどれくらい取るのかと聞くと「約1ヶ月だ」(!)と。クリスマス直前から一月の下旬まで、会社全体を閉鎖してしまうところもあるらしい。

豪州はいま大変な好景気で、金利が高く、豪ドルは高騰している。したがって物価も高く、電車の初乗りや、600mlのコカコーラが 3豪ドル(250円)もする。豪州は道路は完璧に整備され、あきれるほどどこに行ってもさわやかな風景が広がっている。こんな国で1ヶ月も休みが取れるとは!

シドニーで泊まったホテルでは、ミニバーの飲料や食品の消費をセンサーで監視。朝方に部屋のドアの下に請求書が届けられており、異議がなければそのままカードキーをロビーに置かれた箱に投入すればチェックアウト完了。決済は、チェックインのときに提示したクレジットカードを通じて行われる。チェックアウトがホテルでは一番人手のかかる作業のはずだが、それを見事に省力化している。

メルボルンの有料高速道路には、有人の料金所が一切ない。日本の ETC のような非接触式の課金システムで全て事済ませている。ETC を搭載していない車はどうするか?後払いなのだ。高速道路は使い始めから同一料金で24時間利用可能で、郵便局で料金が払えるようだ(その他インターネットでも支払いできるらしい)。ずるい人は払わないのでは?と思うかもしれないが、ETC 非搭載車の車の番号は全てカメラで撮影されており、逃げられないようになっている。

メルボルンで使った駐車場では、ゲート入り口でクレジットカードを投入すると、それが駐車券代わりになり、かつ決済も行われた。

このように豪州ではサービス業で徹底的に人手を省く措置が取られていた。なるほどこれなら人々が高い所得を得ながら長い休暇が取れるわけだ。これぞ先進国だと強く感じた。豪州で大学院教育を受けた海外ニートさんが、日本の非効率な働き方に不満を漏らすのは当然だ。日本のサービス業をもっと効率化しなければなるまい。そのためには、顧客原理主義を脱し、顧客側も一定の不便を甘受すべきではないか。同じ日本人なんだからお互い様の精神で行こうよ。