ネットに消費される恐怖
私は今年の前半、「パブリックマン宣言」などを通じて、盛んに自分自身を外に宣伝していた。そうすることによって、面白い人たちに出会うことができ、自分の成長や仕事にもメリットがあるだろうという強い確信があった。
だが、その後さまざまな露出が続いて行くうちに、自分の中で何とも言えない違和感が育っていった。自分のイメージがどこかで一人歩きして、自分とは全くかかわり合いのないものになっていく感じ。最初は、それもやむを得ないと思った。だが、それが徐々に勢いを増して行くにつれて、本当にうんざりするようになった。これが玉置沙由里さんがいう「ネットに消費される」という感覚なのかと思い知った。
私はもともと IT 技術者で、何か実際に動くものを作ってナンボの商売だった。このように「人気」というつかみどころのないものを相手に商売するのは、気が引ける思いがあった。
私が今年の前半にやったことには、いろいろ行き過ぎな部分もあったように感じる。いまは、基本に戻り、地に足をつけて生きていきたい。いまはまだ本調子ではないが、再び徐々に誠実な情報発信に戻っていくつもりである。