私たちはどうしてまだソフトウェアを作り続けているのだろう?


コンピュータのリソースは、本当に豊富になった。過剰なくらいである。私がまだ子供だった20年前、PC にはわずか 64KBのメモリしかなかった。10年前、それは 64 MB に増えた。それは巨大な変化のように思えたものだが、今は 1GB や 2GB のメモリを積む PC も珍しくなくなってきている。ハードディスクは 100GB を超える PC も多い。ウェブの世界を見ても、実に多くのサイトが無料の大容量スペースを提供している。最右翼の一つ Google Gmail は約 3GB のディスクスペースをユーザー一人一人に与えている。Linux などオープンソースのソフトウェアは、無料でありながら、非常に多機能・高性能である。


どうやってハードウェアの性能制約を乗り越えるのか、というのはソフトウェア生産の現場ではあまり問題にならなくなりつつある。もちろん、非常に負荷の高いシステムでは別だが・・・。


こんな時代に、どうしていまだに企業は高い金を出して、手作りの業務ソフトウェアに頼らなければならないのか。それが僕には不思議でならない。(もちろん、そのおかげで私はいまは生活できているのだが・・・しかし、今までのすべての技術がそうであったように、そういう時代もいずれ終わるだろう、と思っている)


実際には、いまより一桁安くソフトウェアを作れるような方法があるのではないか?アジャイル開発は、こういう時代の要請に応えようとする一つの試みなのかもしれない。