サイゴンの風景

タムさんが、ひょっこり私のホテルに現れた。最近連絡がないと思ったら実は携帯電話をひったくられたとのこと。私も気をつけないと。さらに悪いことに、台湾人の上司と喧嘩して、会社を辞めると啖呵を切ったそうだ。正社員なのにすぐ辞めて次の会社を探そうとするあたり、日本とは違っている。日本なら、たぶん内にこもってぶつぶつ愚痴を言うところだろう。彼女は、日本企業のほうが台湾企業より働きやすいという。私の経験から言っても、ベトナム人は中国人より日本人のほうが相性がいいような気がする。

靴磨きの男の子に靴を磨いてもらった。1万ドン(63円)だという話が、靴磨きは終わったあとになって「片足1万ドンだ」という。やれやれ。少し揉めたが、結局2万ドン払った。ぼられているのは間違いない。まじめに定価商売をして数をこなせば、儲かると思うのだが。この手の人たちは、いかに相手からぼったくるしか考えていない。ぼったくりも経済行為だとは思うが、リピーターを作れない商売は、いずれ破綻すると思うのだが。こうした職業倫理の欠如が彼らが貧困から抜け出せない理由の一つだろう。

市中心部のきれいなオフィスタワーに居を構える JETRO に行った。ライブラリが充実していて、ベトナム投資に必要な情報はすべてここで収集できそうである。ホーチミン日本商工会も同じフロアにある。