ノルウェー人 Rubyist の Vidar

昨晩は、ノルウェーRubyist と会った。名前は Vidar。20代後半で、北欧人らしく身長は190センチ近い長身の男である。現在、Eldoy Softwareという屋号のもと、フリーランサーとして活動している。

Vidar は、ノルウェーでは変り者扱いされていたらしい。ベトナムに行く、というと周囲から狂人扱いされたという。しかし、私の見るところ、彼は実直な人物であり、頭はずば抜けて良い。彼のよいところは、異文化に対して、好奇心を持ち寛容であることだ。ベトナムに住む多くの欧米人が、ベトナム料理に近づこうとしないのに対して、彼は積極的にベトナム料理をはじめとしたアジアの料理を好んで食べている。

Vidar が、ベトナムに来たのは、私と同じで、ベトナム人のエンジニアを雇って、Ruby on Rails の開発チームを築くためであった。求人広告を出して、20人の応募者からめぼしい一人を雇用してみたが、結果は芳しくなかったという。Vidar はベトナム人のエンジニアの水準にやや失望をしていた。
Vidar だけでなく、他にも何人かから聞いたが、ベトナムの教育のせいか、ベトナム人エンジニアはおとなしすぎて、自発性に欠く部分があるという。Ruby on Rails は、エンジニアが自発的であることを要求する。それゆえ、生み出されるソフトウェアは創造的でありうるのだが、いまのベトナム人エンジニアの気質に合わない部分があるのかもしれない。

しかし、私はまだあきらめるつもりはない。ベトナム人のなかにも創造性のかたまりのような、血の気の多いエンジニアが、日々の単調な JavaPHP のプログラミングに飽き飽きしているはずなのだ。そういう人物を探し出して一緒に仕事をすれば、かならずしや面白いことができるはずだ。

Vidar は、外見こそ私とはぜんぜん違うけれども、性格的に非常に近いものを感じた。不思議なものである。共に、豊かだが保守的な母国の暮らしに満足できず、混沌のベトナムで一旗上げようとやってきた。Vidar の故郷である北欧はかつてバイキングの本拠地であったが、まるでわれわれも昔の海賊みたいじゃないか。そう思うとなんだかおかしかった。