日僑という生き方

あーあ、言っちゃったよ、渡辺千賀さん。

海外で勉強して働こう

1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

梅田望夫さんが、日本の現状に対して鋭い批判を行い、その結果、たびたびブログエントリが炎上しているのを見た。その一方で、千賀さんは絶妙なバランス感覚とユーモアで、興味深くシリコンバレーの様子を伝えてくれて、ブログのコメントやはてなブックマークで、悪意のこもった反響を見かけなかった。私はてっきり、千賀さんは日本の現状には危機感は感じていても、なんとかなるさと考える楽天家なんだと思い込んでいた。昨日までは。

池田信夫さんの「希望を捨てる勇気」を見れば十分だと思うけど、日本は完全に八方塞がりの状態。向こう30年ほどのスパンでは、日本経済は確実に没落する。この影響から逃れられる日本人は一人もいない。海外にいる日本人にもその影響は避けられない。なぜなら、日本というブランドが失墜し、二流国に成り下がるからだ。千賀さんも「ジャパン・ブランド」で売れるうちに稼いでおこうと当然のように考えるだろう。*1

私自身は、価値観を共有できる日本人とは組んでもいいかな、とは思っている。国家・言語・文化の境界を自由に行き来できる日本人。まだ数は少ないが、これから増えてくるだろうし、海外を活躍の場に選ぶことも多いだろう。

華僑という言葉がある。私は日僑でいいと思っている。日本人でありながら、海外の地域社会に溶け込んで、商売で生計を立てる。経済環境が変わったとき、さらに他国に移住することもいとわない。もし日本が沈むなら、そのとき外から援助すればいいじゃないか。日本人は日本列島の外に住もうが住むまいが、日本人であることに変わりはないのだから。

*1:とはいえ、すでにジャパン・ブランドも風前のともし火かも。サイゴンの家電量販店で売られている液晶32インチテレビは、日本製が800万ドン(4万4000円)で、韓国製が780万ドン(4万3000円)。その差わずか20万ドン、率にして2.5%。これが現在の日本のブランド力ですよ。これでいて、日本人の賃金は韓国人のざっと2倍くらいだろうから、競争に勝てるわけないわな