ローマ字による日本語正書法
海部美知さんによる日本語改革案。
国家生き残り戦略としての日本語リストラ - Tech Mom from Silicon Valley
まったくの与太話なのだが、この点の話は、言語オタクの血が騒ぐので、私も参入。
なんでひらがながどうのとか、漢字をどうしようかとか悩んでいるのはよく理解できない。もう日本語の正書法はすっかり確立しているのだから、それをいまさらいじる必要はないじゃない?
それより、ローマ字による日本語の正書法を何とかして欲しい。
Wikipedia ローマ字によると、「日本国内の標準規格は1954年の内閣訓令第1号ならびに内閣告示第1号の第1表が示した訓令式」であるが、英語風の綴りのヘボン式も例外的に認めるとしているそうだ。訓令式は、「し」を si とか書いちゃうやつで、現実には役所以外じゃあまり使われていないんじゃないかな。そもそも私の名前のパスポートの表記が "Eiji Sakai" で ji っていうのはヘボン式だしなあ。
訓令式かヘボン式かという混乱もさておき、日本語の文章をローマ字表記するとき、分かち書きをどうする?という問題がある。
「私は日本人です」という文章を
- watashihanihonjindesu.
- watashiha nhonjindesu.
- watashi wa nihonjin desu.
のいずれに書くのが一番理解しやすいか、という問題だ。ここらへんは日本政府がぜひ統一規格を作ってほしい。
私は海外で無数の日本語学習者を見てきたが、共通してつまずくのは日本語表記法の部分だ。これは、ほぼ世界で一番難しいのじゃないかと思う。だから、彼らの一つの選択として、伝統的な日本語正書法を放棄して、政府公認ローマ字日本語正書法だけを学ぶという戦略もあるんじゃないだろうか。伝統的な日本語正書法と公認ローマ字日本語正書法の間は、ある程度、コンピュータによる自動変換が可能であるはずだ。まあ、同音異義語の問題があるんだが、これもなんらかの決まりに従って同音異義語に政府公認の番号でも振ってしまったらどうか。例えば「ほうき」という音に対して
- 放棄 houki(1)
- 法規 houki(2)
- 箒 houki(3)
- 蜂起 houki(4)
みたいに表記してしまうのである。身もふたもないが・・・
「超法規的措置を求めて武装蜂起した不満分子に対して武器の放棄を要求する」という文章は、
"chou houki(2) teki sochi wo motomete buso houki(4) sita human bunshi ni taishite buki no houki(1) wo youkyu suru"
とか書くことにするのである。
これができれば、オフショア開発の現場を始め「日本語を使った外国人とのコミュニケーション」は大幅に改善するはずだ。ぜひ文部科学省あたりに本気でやってもらいたい。伝統的正書法とローマ字正書法の相互変換ソフトウェアの開発も予算に計上していただいて。私がぜひ落札させていただきますので(笑)