希望だけない国、日本

かつて、村上龍は「日本にはすべてがある。ただ希望だけがない」と書いた。日本列島を覆いつくしている閉塞感を見事にあらわした統計資料を発見。OECD の資料で各国の「主観的幸福度」をたずねたもの。要するに、「あなたは幸せですか?」と直接質問した答えを集計したものだ。

OECD Factbook 2009: Economic, Environmental and Social Statistics - Subjective well-being

一番、幸せを感じる人が多い国はデンマーク。生き馬の目を抜く生存競争をやっているアメリカでも70ポイント超えてかなり幸福度が高い。一方で日本は、かろうじて30ポイントを越える程度で、ロシアにさえ幸福度で負けている。韓国より低い。日本より幸福度が低い国は、中国・インドなど正真正銘の発展途上国が多い。だが、インド・中国は、未来に対しては希望を持っている(60ポイント前後)。一方で日本は、未来に対する希望度も低い(40ポイント弱)。

世界第二のGDPを持ち、人口一人当たりGDPでも世界で20位前後を維持している国にここまで幸福感・希望がないのは異常だ。いったい何が日本人から希望を奪っているのか。私は、個人的にはいくつも理由が思い浮かぶけれども、それが真相なのかはわからない。しかし、日本という国のあり方において、何かが根本的に間違っている可能性は高い。