焼け野原からの再出発

政治的改革の難しさ」でこのまま日本政府の財政規律が失われていくと、おそらく日本の財政金融政策が IMF の管理下におかれるだろう、と書いた。池田信夫氏などは、ハイパーインフレが来て円が暴落するというが、世界の金融秩序に深刻な動揺をもたらしかねないそんな動きを国際社会が許さないだろう。時間が経てば経つほど、日本経済の相対的地位が下がっていくので、国際機関が介入しやすくなる。

数年間、日本は強烈な痛みを味わうことになるだろう。しかし、結局のところ、長い目でみたらそんなに悪いことではないのかもしれない。多くの人々が公職から追放され、中小企業だけでなく大企業の倒産やリストラも本格化する。政府の歳出の大幅な切り詰めにより、利権が分解され、税金で食っていた人たちが路頭に迷う。そうすることで、日本は古いしがらみから解き放たれて、奇妙な解放感を味わうことになるかもしれない。

「希望は戦争」といった人がいたが、正確には「希望は財政破綻」というべきだったのだ。それが日本経済を古いくびきから解き放ち、弱者たちに敗者復活のチャンスを与えるのだから。