日本経済が外資に救済される日

原油高と同じくらい深刻な「ホワイトカラーの仕事破壊」 - アンカテ

さすが essa さん一流の文章ではあるが、内容自体は私がいつも考えつめているのと同じものだった。要するにフラット化が進行する世界で、高賃金を守らなければならない立場の日本人たちは何をしなければならないか、と問題提起したものだ。

essa さんは、日本企業は Google のようなきわめて効率の高い経営手法を導入しなければならない、と説く。ただ、アンカテさん自身、おそらく内心疑問を持っているように、すくなくとも「既存の日本の大企業」には無理だ。しがらみが多すぎるからだ。

では、日本人が作る新しい企業はどうだろうか。それは理想的なシナリオでもある・・・もしそれが本当に生まれてくるのであれば。日本に新しい産業の誕生が期待されて、すでに20年が経った。だが、それはいまだにわずかな例外を除いて、起きていない。現実に起こっていることは、大学生たちがいまだに非生産的な「就活」に一喜一憂していることからわかる。若者でさえ、日本社会がよどんだ澱のように溜め込んでいる「しがらみ」から解放されえなかったし、また、逃れる気もあまりなかったのだ。

私は、日本の改革は、非日本人によってもたらされるだろう、といまでは予想するに至っている。やがて、資本と経営者が、外からやってくる。彼らは日本の既得権益を粉々に砕くだろう。そして、われわれの多くは外国資本と外国人経営者のもとで働くことになるだろう。

ここは民族意識と絡まると難しくなる。だが、いまは20世紀初頭の帝国主義の時代とはまったく異なる。本社が外国にあったり、経営者が外国人である、という事実が、かつての植民地支配のような屈辱を意味するわけではない。現に中国は、きわめて巧みに外資を利用して、経済的成功と国家意識の高揚につとめている。現代は、非植民地支配的外資導入の時代なのだ。

ところが、日本はいままであまりに長く資本も経営者も自前主義でやってきたために、外資とどうやってうまく付き合っていったらいいかわからない。ややもすると恐怖のあまり極端な排斥主義に走ったりする。

だが思い出してほしい。重要なのは、日本列島に住む日本人に雇用がもたらされることだ・・・日本人によい仕事があるかぎり、その会社の本社がどこにあるかは問題にならない。

日本企業が赤字を続け、内部留保を吐ききって、完全に行き詰まったとき、倒産するか、あるいは、外資に買収されるという形で、人的資源の管理を外国人の手にゆだねることになる。だが、もしその外国人が日本人以上に人的資源を有効に利用できるのであれば、それは従業員にとっては待遇が向上するということであり、望ましいことなのだ。そう Google のように、ね。