私が USCPA を目指す理由

どうやら鳩山政権は死に体のようで、ポスト鳩山がささやかれている。

ポスト鳩山がとても心配だ
ヒトラーの経済政策 - 池田信夫blog

こういう記事を見ると再びやり場のない不安に襲われる。ポスト鳩山に亀山氏?うーん。想像するだけでぞっとする。2年くらい前から感じていたが、日本はますます(世界で類を見ない)社会主義の方向へ舵を切っているようだ。池田氏も「どうせ破綻するなら、早いほうがいい」などと投げやりなことを言っているが、冗談じゃないよ。そんなことになったらたまらん・・・。

前も述べたようにいま私はアメリカの公認会計士資格(USCPA)を目指して、勉強をしている。なぜこんなことをしているかといえば、一つは日本経済が破綻の淵にあって、これから金融的な大混乱が起きようとするときに、カネの流れに明るくなりたいと思ったからだ。正直、プログラマーとして受託開発をのんびりこなしていられるような社会情勢でなくなってきてしまった。

USCPA 関係の細かい話は別のブログに書いているのだが、今日は概略について話してみよう。USCPA 試験は次の4つの科目から成り立っている。

  • Financial Accouting and Reporting (財務諸表論)
  • Business Environment and Concepts(ビジネス論)
  • Regulation(ビジネス法・税法)
  • Audit and Attestation(監査論)

Wiley CPA Exam Review という USCPA 試験ではもっとも有名なテキストを使って勉強している。どうやら最近はもっと要点を絞って暗記するようなテキストが人気があるようだが、Wiley はかなり正攻法で内容が盛りだくさんだが、学習者が概念をきちんと理解できるように配慮されている。私は、このテキストがかなり気に入っている。

USCPA の試験はなかなかよくできていて、上の4つの科目が有機的に連携しあい、すべてを理解することで、公認会計士として活動するための「基礎知識」が身につくように工夫されている。基礎知識とはいっても、Wiley のテキストは4冊で、もちろんで全部英語で、合計3000ページもあるんだけどね。目が痛くなるほど字も小さいし・・・。やれやれ頭が痛い。英語の速読法をマスターする必要があるかもしれない。

日本の公認会計士試験は非常に難しいのに対して、USCPA はとにかく体力さえあれば、いずれは合格する試験といわれている。合格者の数もアメリカのほうがずっと多い。そんなこともあって、日本では USCPA はやや低く見られているらしい。挙句の果てには「日商簿記2級並み」とか揶揄する人もいるらしいが、さすがにそこまで簡単じゃないなあ。アメリカらしく、「何のためにどの分野を勉強させるか」という基準がはっきりしているので、合理的で結構好きである。たぶん、私が日本の公認会計士試験を勉強したら、いろいろ不透明な部分に憤死するんじゃないかな。

実をいうと日本の事情はどうでもいい。べつに日本で働くつもりはないので。USCPA を取った後の見通しは実は私もよくわからないが、いずれにしろ日本の外で働くつもりだ。現在は IFRS という会計の国際基準に、各国の会計基準が収斂していくプロセスにあり、近い将来、全世界の会計規準は統一される。USCPA 試験は、現在はアメリカの会計規準(GAAP)に基づいておこなわれているが、GAAPIFRS には密接な関係があり、GAAP が理解できれば IFRS へ移行するのはそんなに難しくないはずだ。

USCPA の勉強を通じて、私は、会計士の偉大さを思い知らされた。勉強の内容は非常にややこしいのではあるが、それでも実務に比べたらずっと単純だろう。どの道もプロは偉いなーと思う。私は、別に監査とか会計士の独占業務をやるつもりはない(どのみちアメリカの外ではできないけど)。自分の ITに関する経験・知識と財務に関する知識を生かして、何かをしたい。まずは IT 企業の経営内容を分析したいなあ・・・儲かる IT 企業を作る手助けをしたいのだ。

まあいろいろ漠然と考えていることはあるが、試験に受かるかどうかまだぜんぜんわからないので、大風呂敷を広げるのはもう少し後にしておく。