日本経済を立ち直らせるのは簡単だ

池田信夫氏がいまさらのように嘆いて見せている。

民主党政権では日本経済は立ち直れない - 池田信夫 blog

短期的な需要刺激策に終始する民主党の政策では、長期的な経済成長は難しい。池田氏は、一貫した主張として「成長率を引き上げる最大のエンジンは、雇用を流動化して労働生産性を引き上げる労働市場の改革」と供給側の改革の重要性を説いている。

私も、池田氏とほとんど同意見だ。実をいうと日本経済を再び成長軌道に乗せる処方箋はずっと前からわかっている。要するに、規制緩和と行政の透明化・効率化を通じて、市場の機能を活性化させるだけのことだ。

外資導入に積極的なシンガポールをモデルにすべきだ。英語による透明な行政手続、投資減税、税制のフラット化、ポイント制による移民政策。国際資本に「日本で商売したい!」と思わせる政策が必要だ。資本は狭義ではカネのことだが、広義では経営資源も付随する。いまは日本人が極めてリスク回避的で経営能力が落ちているので、外資は貴重な経営資源を提供してくれるありがたい存在だ。重要なのは投資を呼び込むこと。Espresso Diary@信州松本の斉藤氏のいうとおりだ

今からでもシンガポールや香港へ役人や国会議員を派遣して勉強してくればいい。ヒントは無数に得られるはずだ。

予想される反論にあらかじめ答えておこう。

Q. シンガポールや香港は小さな都市国家。人口1億人以上の日本と比較できない。
A.それで?もちろんシンガポールや香港の政策をまったくそのまま導入はできないだろうが、刺激的なヒントはあるだろう。「規制緩和による市場の活性化」という本質を念頭に、日本に合わせた形で政策を導入すればいい。

Q. シンガポール独裁国家言論の自由はないけど?
A. 別に自由主義政策が独裁国家にしかできないとは思わない。日本は当然、民主主義や言論の自由を維持したまま、こうした自由主義的な政策を推し進めていくべきだ。

Q. シンガポールや香港は、華人中心の社会。日本を中国化しろということ?
A.シンガポールや香港の成功例に学べといっているだけで、その民族性については一言も言っていない。ドバイに学べでもいいかもしれない。とにかく自由主義的な政策を徹底して、成功している国家・地域には注意を払うべきだということ。

Q. んなこといっても、日本は政治がデッドロック状態。そんなドラスチックな改革はできないよ?
A. 確かにね。すぐには難しいだろうが、いずれにしろ改革の方向性は間違っていないと思う。民主党のあとに来る政権のいずれかが結局、上のような改革をせざるを得ない日がやってくるだろう・・・。ただ、私も悲観的なのは、おそらく (1) 市場の力によって変化が強制され (2) 市場の影響を受ける外国人の手で改革の直接の契機はもたらされるだろうということ。幕末の米海軍や第二次世界大戦後の連合軍(実質、米軍)による占領によって、政治的改革が行われたのと同じことが起こるだろう。今回もまた、ワシントン D.C. からその勢力(国際通貨基金(IMF))はやってくるだろう。10年後か20年後かはまだわからないが。