人はカネで動く、のかもよ

分裂君がまた大構想をぶち上げてくれました。しびれるぅぅ。

東京から直通電車で20?30分くらいのところに、経済特区を作る。

仮にJシリコンバレー特区と呼ぶことにする。

この特区では、英語が公用語

役所、医療施設、学校、レストラン、スーパー、電車、交通標識など、あらゆるものが英語で運用される。

この特区内の企業に年収500万円以上で採用された外国人には、この特区内だけで働けるワーキングビザが発行される。

当面は、インド、中国、西欧、北米、旧共産圏などの高度知識労働者をこの都市に集めることを目指す。

はてブコメントが、例によって面白い。通例どおり批判的なコメントが多いわけだが。こういう状況を考えてみてほしい。あなたが 30歳で、中堅 SIer で働く中堅の SE だったとしよう。月150時間の残業をこなして、残業代込みでようやく年収500万円。まあ、ありがちな数字だと思うけど。しかし、電車で30分のところにある「Jシリコンバレー地区」では、同じような仕事をしている大学同期の友人が、年収1500万円稼いでいたらどうよ?しかも、Jシリコンバレーのほうが経営が効率的で、残業時間はほとんどなかったら?それでも、Jシリコンバレーに無関心でいられるかな?

松下幸之助さんは、かつて「人はカネで動く部分とカネで動かない部分の両方がある。そのことを理解することが人を動かすコツだ」といったそうな(ソースなし、ごめん)。私が、経済というのはおもしろいと思うのは、カネがボディーブローのように人の考え方に影響を与え続けて、やがて人を動かし社会を変える効果を持っているからだ。

私は、欲で動く人間のそういう身もふたもないところが、結構好きだったりもする。結局、そうした経済的な動機に突き動かされた行動だけが、閉塞した社会・政治状況を打破できるからだ。

分裂君の構想自体はすばらしい。ただ、この構想の実現にいちばん障害になるのは、有権者の事なかれ主義とその支持を受けた政治家たちの行動だろうね。もうちょっと日本人たちは追い詰められないと、こういう劇的な政策を受け入れる余地はないと思うけれども。

そう思うと、中国で最初の経済特区である深センを作ったトウ小平はいかに偉大だったことか。彼我の政治家の器の大きさの違いを見ると愕然とするね。まあ、大陸と島国じゃ仕方ないのか。