アメリカ電子政府のすごさと日本政府の未来

あーあ、改めて見たくなかったこの現実。

こりゃ、いまの日本には絶対作れないものだよなあ

アメリ連邦政府のIT支出情報を全て開示しまおうという「IT Dashboard」。はっきり言ってすごすぎる。日本政府完敗。白旗を振るしかない。太平洋戦争で初めてアメリカのB29爆撃機を見た人は、こんな風に感じたのだろうか。「これは勝てるわけがないw」と。

プロジェクト管理の精巧さにかけては、アメリカの右に出るものはない。アメリカに限らず英語圏の国々は概してプロジェクト管理が上手である。私は上のエントリには完全同意する。日本政府には逆立ちを100回しても、このようなサービスは作れまい。日本のホワイトカラー全体の生産性は低いし、日本のソフトウェア産業におけるプロジェクト管理のハチャメチャぶりには、私はソフトウェア技術者として長らく苦しめられてきた。

e-Taxのような香ばしいシステムを量産する日本の電子政府は、世界の潮流から完全に取り残されている。あと10年もすると、そこらへんの途上国の電子政府システムにも追い抜かれ、IT後進国の名をありがたく頂戴することになるだろう。

さて、その後どうなるのだろうか。

日本の電子政府が永遠に遅れ続けるということはありえない。どこかの時点でさすがに誰の目にもヤバイということがわかるだろうし、そうすれば本気で改善する動きも出てくるだろう。問題は、おそらくそれが日本人の手によって可能だろうか、ということだ。この「役割分担未分化」「科学的プロジェクト管理なし」「誰も責任を取らない」というアイマイでナアナアの日本の組織に、本格的な電子政府システムを作れるように思えないのだ。

すると結局、外国人がそういうシステムを作ることになるのかもしれない・・・。明治政府の「御雇い外国人」のノリだ。少なくとも、CIOは欧米人がやることになるだろう。

日本のサッカーも外国人監督のおかげで強くなったのだ。組織の作り方も外国人に学んでもよいときかもしれない。