2011-01-01から1年間の記事一覧

世界の発電の主役は石炭火力

石炭は、250年前イギリスで産業革命が起こった時から使われ続けている、古典的なエネルギー源である。蒸気機関車が姿を消し、石炭などもう使われなくなったのだろうとぼんやり思っていた。ところがとんでもない間違いだった。日本の発電電力量比率は2008年度…

空間線量率から土壌の放射能汚染度を推定する

収束まで長期戦が確実となった福島第一原発事故。原子力災害で放出される核分裂生成物のうち、環境への影響が大きいのはヨウ素131(I-131)とセシウム137(Cs-137)である。幸いヨウ素131の半減期は8日であり、事故後22日経過した現在は、約1/8に減少している。…

中国恐るるに足らず

大地震が東日本を襲った3月11日の午後、私は横浜市内のスターバックスでコーヒーを飲んでいた。そのとき読んでいた本が、これ。岐路に立つ中国―超大国を待つ7つの壁作者: 津上俊哉出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/02/26メディア: 単行本 …

福島第一原発に存在するプルトニウムの量を推定する

ウラン 235 の燃焼速度から使用済み核燃料の量を計算し、現在、福島第一原発に存在するプルトニウムの量を推定した。1Kg の ウラン235 は 1000 / 235 = 4.5 (mol)。1 mol の ウラン235 が核分裂すると1.8e+13(J)の熱を出す。したがって、1Kg の ウラン235 は…

原子炉に残っているヨウ素131の量を推定する

チェルノブイリ原発事故の被災者に対する追跡調査によれば、近隣住民に対して健康被害をもたらしたと断言できる放射性降下物はヨウ素131だけだったという。放射性降下物には、半減期 30 年の放射性セシウム137 など他にも気になるものもあるものの、ヨウ素 1…

放射性物質のベクレルと質量の関係

放射線の影響度を表現するうえで、報道ではシーベルトとベクレルという2つの単位が使われている。シーベルトについては、Wikipedia を参照していただくとして、ベクレルと放射性物質の質量の関係について考えたい。 免責事項 私は、放射線物理学の専門家では…

オーストリアの研究機関による福島原発の放出放射能の推定

福島第一原発事故は一進一退の状況でまだまだ予断を許さない。放射性物質漏洩による原発周囲の環境への影響を見積もるためには、累積放出放射能の推定が欠かせない。事が重大なため日本政府は推定を発表することにためらいを感じているようだ。オーストリア…

福島第一原発の今後

大前研一氏は、現在は評論家・実業家であるが、MIT で原子力工学の博士号を取得し、帰国後、日立製作所で高速増殖炉を設計していた過去がある。彼が昨日行った講演は多くの人たちに知られるべきだと思うので紹介する。地震発生から1週間 福島原発事故の現状…

さよなら原子力発電

3月11日、私は今回の東北地方太平洋沖大地震に遭遇した。幸い私や家族に身体財産上の損害はなかった。これに被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。東北地方は深刻な津波被害に襲われた。いまも懸命の救援活動が行われている。被害の大きさからして…

中国という難問

私は最近、回心を迎えました。中国についてです。以前は、中国のやり方は乱暴だけれども一理あると考えていました。共産党は曲がりなりとも中国を物質的に豊かにしたからです。ですが、いまははっきり中国の現体制は悪だと思うようになりました。民主主義が…

言論の自由のない国で真実は見えない

日本国憲法には言論の自由に関する規定があり、政府はそれをよく守っている。戦後、言論活動を理由として投獄された日本人はいない。たいていの先進国には言論の自由がある。だが発展途上国(新興国)に目を向ければ言論の自由のない国は多い。言論の自由の…

知られていない意外な日本のよさ

私はベトナムに来て2年が経過した。いろいろ経験してみて、昨今の新興国ブームにも落とし穴があると感じるようになった。日本にあって新興国にないものは何だろうか?公共性に対する敬意と法治主義である。新興国でビジネスをやったことがある人間なら誰でも…

久しぶりの日本航空

ホーチミン空港(タンソンニャット)に到着したのが22時。成田行きの日本航空は、少し遅れて 23:50 に搭乗だとチェックイン時に告げられた。眠かったので、出発ゲートで眠り込んでしまった。係員に起こされたのはファイナルコールが告げられていた午前0時過…

サービス業先進国・オーストラリア

年末年始、豪州に旅行してきた。シドニー・エアーズロック・メルボルンを訪ね、豪州の大自然を満喫した。野生のコアラやカンガルーも目撃できてラッキー。宿泊したB&B の親日的なご主人と話をする機会があった。もともと農業機械の技師だったそうで、頭の切…