ベトナム滞在記

セーオム擁護論

セーオム(xe om, バイクタクシー)というものをご存じだろうか? 車ではなくバイクで客を運ぶ商売である。「地球の歩き方」では「台数も多く、乗りこなせるようになると便利な乗り物だが、最近は悪質なドライバーも多く、トラブルも増えている」と悪意に満…

IVS で開発手法セミナー

IVS 浅井社長の依頼で、リーダークラスの方たちを前に簡単なセミナーのようなものを行った。特にスライドなどの資料は使わずに、私から開発者の方に現状の開発プロセス上の問題点をたずねる形でセミナーは進行した。開発されたソースコードは、なかなか立派…

農村滞在

ニャットさんの故郷は、バリアブンタウ省のビンチャウ(Binh Chau)にある。ニャットさんのおばあさんが重い病気を患っていて、そのお見舞いに行くというので、私も一緒についていくことになった。サイゴンからビンチャウまでの距離は120キロくらいだが、バス…

焼き物にお絵かき

ホテルの従業員たちとすっかり仲良くなり、そのうちの一人と本屋に遊びに行った。(ホテルの客が、従業員と仲良くなって、遊びに出かけるということ自体が東京じゃありえないが)大学のそばにある、その大きな本屋の二階では、オモチャや服を売っている。そ…

激動のアジア情勢

タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港が反政府勢力によって占拠・封鎖されている模様である。(BBC Newsの記事)ここベトナム・ホーチミン市でも、影響が出始めている。落ち着かない表情のドイツ人カップルに出会った。今日バンコク経由でドイツに戻る予定…

Individual Systems 社に居候

浅井社長のご好意で、前回のブログエントリで取り上げたIndividual Systems 社にしばらく居候させていただくことになった。「ときどき、ベトナム人技術者たちに技術指導してあげてください。あとはお好きにどうぞ」と言ってくださった。私に技術指導などでき…

Individual Systems 社訪問

今日は、ホーチミン市中心部にある Individual Systems 社を訪問した。社長の浅井崇さんとお話しする機会を得た。浅井さんは1995年にベトナムに渡り、ハノイ国家大学に留学。2001年にベトナム人技術者向けの日本語教室を始め、それが日本向けソフトウェアの…

ベトナム系アメリカ人のおじいさん

ホテル近くの定食屋で昼飯を食っていると、隣の人のよさそうなおじいさんから話しかけられた。ベトナム人のお年寄りにしては妙に英語がうまい。どこから来たのかたずねると、おじいさんは自分はアメリカに住んでいるという。おじいさんは、38年前にアメリカ…

ベトナム教師の日

11月20日は、ベトナム教師の日(Ngay Nha Giao Viet Nam) である。生徒・学生が、日ごろの恩顧を感謝して、教員に花を贈ったり、演芸を披露したりする。私も、ホーチミン人文社会科学大学を訪れて、日頃お世話になっているチュック先生に花を贈った。朝、指定…

大企業で働くという夢

私の滞在しているホテルは、ミニ・ホテルと呼ばれるジャンルのホテルで、家族経営の小さなホテルだ。受付嬢は、ハキハキとした気持ちのよい女の子で、長期滞在している私にあれこれ声を掛けてくれる。ときどき世間話をするようになった。受付嬢にある質問を…

囲碁の小倉先生

ホテルのロビーでパソコンを使っていると、「ベトナム語をいま勉強していますか?」と流暢な日本語で話しかけてくるベトナム人男性がいる。彼は、東京に留学してコンピューター技術(DTP)を学んだそうだ。しばらく雑談を楽しんだ後、彼は「私は、小倉先生か…

outsprin 社訪問

ホーチミン中心部に位置するウェブ制作会社 outsprin 社を訪ねた。(ウェブサイトは現在制作中とのこと。 outsprin 社がこの9月に分離独立した GOATSystem 社のウェブサイトはこちら)。社長の團さんにお話をうかがった。ベトナムではすでに6年ほどの活動な…

怒れるイタリア人

ホテルのロビーでベトナム語を勉強していると、受付の男の子が僕を手招きする。3階の客のインターネット接続の調子を見てほしいという。私がその客の部屋に入っていくと、欧米人で50歳くらいの長身の男が、自分の PC に向かって盛んに悪態をついている。彼…

ベトナムの結婚式

昨晩は、タムさんのお兄さんの結婚式に出席した。ベトナムでは、日本ほど出席者の選別が厳しくなく、比較的気軽に招待するようだ。タムさんのお兄さんの結婚式は、日本と同じく、結婚の誓いを立てる儀式と披露宴の二本立てだった。儀式のほうは、親族だけが…

ベトナム系カナダ人の大学教授

今日は、ベトナム系カナダ人の大学教授と昼食をともにした。私のカナダ時代の友人のお父さんで、現在はモントリオールのコンコーディア大学で物理学を教えている。ベトナムの大学との共同プロジェクトのために、3ヶ月ほどベトナムに滞在するそうだ。日本の…

ベトナムのお葬式

私が滞在しているファム・グー・ラオ(Pham Ngu Lao)エリアは、サイゴン最大の外国人向け安宿街である。タイのバンコクを知っている人なら、カオサン通りみたいなものだと思えばいい。東京でいえば、六本木の繁華街みたいな感じか。私の宿泊先の近所の小さな…

二人のタオさん

日曜日の今日、例の如くニャットさんと遊んだ。ニャットさんと、市内のカフェでお茶をしていると、高級官僚のタオ(Thao)さんが現れた。タオにベトナムの官僚機構について質問をしてみた。ベトナムの政治制度について一通り調べていたので、話はスムーズに進…

サイゴンの風景

タムさんが、ひょっこり私のホテルに現れた。最近連絡がないと思ったら実は携帯電話をひったくられたとのこと。私も気をつけないと。さらに悪いことに、台湾人の上司と喧嘩して、会社を辞めると啖呵を切ったそうだ。正社員なのにすぐ辞めて次の会社を探そう…

大工さんの家

今日は日曜日。今週もニャットさんのバイクの後ろに乗って、サイゴンの街に繰り出した。ベトナムの朝は早い。ニャットさんは朝7時にホテルにやってきた。しばらく郊外へ向けて走ること30分弱。到着したのは、公園のような広い庭に池をところどころに配置し…

転換期

ベトナムに到着してはや3週間が過ぎた。バイクが溢れる道も普通に横断できるようになった。道端の屋台でも食事ができるようになってきた。ベトナム料理も慣れてくると、いろいろ美味しいものがあるのに気がついた。ベトナム生活に少しずつ慣れてきた、と思う…

言語の政治性

異なる母国語を持つ者同士が、どの言語を用いて意思疎通を図るか。この決定には、つねに微妙な政治的問題が入り込んでいる。2人の人間がある言語で意思疎通を図ろうとするとき、その言語により習熟したほうが、優位な立場に立ちやすい。まして、その言語が一…

ベトナムのインターネット規制(その2)

いままでずっと普通にインターネットを使っていたのだが、ついに、ベトナムでアクセスが遮断されているウェブサイトを発見。Radio Free Asia http://www.rfa.org/ Voice of America http://www.voanews.com/これらのサイトはまったく見ることができない。 Cl…

静かな一日

今日は、おそらく日本を離れて一番ゆったりした一日だった。ベトナム語と現地の英字新聞の研究に一日を費やした。いまの大学のベトナム語の教科書は、Giao Trinh Tieng Viet Cho Ngoui Nuoc Ngoai(Vietnamese As A Second Language)。私が通うホーチミン市人…

ベトナム語について

今日午前、ホーチミン市人文社会科学大学で、初めてのベトナム語の授業を受けた。今日の先生は、恰幅のよい優しそうな中年の女性の先生。授業といっても、個人授業を希望したので、先生と私の二人だけである。100分(前半50分・後半50分)の授業で、一日20ド…

ベトナムの歩き方

ベトナムの大都市では、道路にバイクが溢れている。朝や夕方のラッシュ時に道を渡ろうとするのは、台風の後の濁流の川を泳いで渡るくらいの勇気がいる。先進国の秩序ある交通に慣れた人たちにとっては、最初は足がすくんで渡ることはできないだろう。ベトナ…

新築祝い

今日は、日曜日。私の東京でのベトナム語先生であるハーさんの彼氏であるニャットさんが、朝早くホテルに来て、遊びに連れて行ってくれた。到着したのは、ホーチミン市内のしゃれたカフェ。このエリアは、東京で言えば青山のような、おしゃれなエリアである…

フィリピン人スチュワードとの会話

ブイヴィエン通りのベトナム料理屋で飯を食っていたら、東洋人がきれいな英語で話しかけてきた。30前後の物腰柔らかい美男子である。どこの国の人かと思ったらフィリピン人だった。フィリピン航空のスチュワードでいまは休暇でサイゴンにいるという。普段は…

貴族化した日本人

昨晩は、タムさんといろいろと話をした。タムさんは、明るい活発な性格の20代半ばの女性である。大学卒業後、現在は台湾系のオーディオ部品メーカーで事務の仕事をしている。この台湾メーカーは、ベトナムに工場があり、そこで生産した製品を日本のオーディ…

サイゴンの Wi-Fi 事情

ホーチミン市師範大学で勉強することに決めたつもりが、実際に、手続きのため事務員と話しているうちにだんだん不安がもたげてきた。彼女は、人はいいのだが、英語が上手でないので、話がうまく通じないのだ。先々のことを考えるとやや不安を感じて、ベトナ…

大学の Wifi 環境

結局、庶民的で地元の人とより多くふれあいの持てそうな、ホーチミン市師範大学で勉強することに決めた。で、大学に来て、留学生事務室を訪れるも係員は今日は不在。仕方なく、ロビーに下りてくると、無線 LAN の電波が拾えることに気づいた。セキュリティは…